良寛さまが鞠つきをして子どもたちと遊んだことは有名だが、当然のことながらそれはゴム鞠ではない。
 昔の手鞠はぜんまいの綿を芯にして、かがり糸でくくった。大きく弾まないから、しゃがんでついたという。あるいは放り投げ、手に受けて遊ぶものだった。
 糸魚川歴史民俗資料館に行けば、相馬御風が収集した「良寛遺愛の手鞠」が展示されている。青いかがり糸の美しい小さな鞠だ。糸が毛羽立ち、古びているのがかえって良寛さまを偲ばせる。ぜひご覧いただきたい。(資料館のHPの「御風と良寛」に写真あり)
 さて、ゴム段も鞠つきもできないような幼児(妹や弟)も、時には一緒に遊んだ。くっついてくるのだから入れないわけにはいかない。ハンデをつけてやる。
 いわゆる「味噌っ滓」だが、私たちは「はいのこ」と呼んでいた。「がんどう」と同じで意味も由来も不明。
 静かに炭にくっついているだけの「灰の子」と私は思っていたが「蝿の子」かもしれない。そう呼ぶ地方もあるそうだ。 仲間外れの意味はなくむしろ仲間に入れるための言葉だが、いわれた方はどう思っていただろう。今になって気になる。

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