ゴム段と鞠つきは女の子の遊びだ。
 ゴム段はゴム跳びともいう。二種類の遊び方があった。一本のゴム紐の両端を二人が持ち、他の人はその間を跳ぶ、その高さを膝、腰という風に少しずつ高くして、跳べなかったら持ち手と交代するという遊び方と、輪にしたゴム紐の間を歌に合わせて跳ぶという遊び方だ。あまり得意でなかったから、詳細は忘れてしまった。
 一方、鞠つき歌は覚えている。数え歌になっていて、数が増える毎に、技も難度を増す。

 一もんめのいーすけさん
 いの字が大好きで
 一万一千一百石
 一斗一斗一斗豆
 お蔵に納めて
 二もんめに渡(わーた)した
 二もんめのにーすけさん 「に」に変えて同じ。(三以下も同様)

 この「い」のところで、鞠をまたいだり、腕で作った輪の中を潜らせたりする。だから一万一千一百石から一斗豆までは難しい。でも失敗しそうになったらゆっくり歌えばいいのだ。調節できるところが良い。
 二もんめに渡す時に、足の間を潜らせて、後で待っている相手につなぐ。鞠つきは勝負を競う遊びではない。歌を途切らせないように長く続けることを楽しむ。

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