「がんどう」はジャンケンをするだけの単純な遊びだが、演劇性があるので人気だった。

集まった全員でまずジャンケンをし、勝った人が王様になる。負けた人は家来で王様の下に並ぶ。一番負けた人を乞食と称し、並んだ家来と順にジャンケンをしていく。勝ったら進み、負けたら入れ替わる。そうして王様に近づいて行く。

いよいよ王様の前に出たら、頭を下げ、挨拶しなければならない。これを忘れて勝負を急げば「無礼者」といわれ、一番下に逆戻りだ。

運良く王様に勝ったら……いやまだ早い。位置を入れ替えて、もう一度ジャンケンをする。まだ本物の王様ではないから挨拶は抜き。ここで勝って、やっと王様になれる。

さて王様は五回王座を守ったら、王妃を選ぶことができる。王妃も挨拶を受け、無礼を咎めることができるのだ。

家来や王妃のジャンケンを見ているだけで王様はわりと暇なのだが、「無礼者、下がれ!」といえる快感がたまらない。

何故「がんどう」と呼ぶか、調べてみたがわからなかった。漢字で書けば「龕灯」だが、これは強盗が使ったという明かりを指すので関係ない気がする。今は「王様じゃんけん」と呼ぶようだ。

Follow me!