児童文学作家~小川英子の部屋

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プロフィール

OGAWA-ILLUST1950年新潟県糸魚川市本町通りの倉又茶舗に生まれる。新潟県立糸魚川高等学校43年卒。私立二松学舎大学文学部卒。
幼い頃より本を読むことが好きで、やがて書く側にまわる。
シナリオセンターや「都筑道夫の推理小説作法講座」等で学んだ後、1991年「雲の子水の子」でフェリシモ大賞優秀賞を受賞。翌年、絵本として『雲の子水の子』(フェリシモ出版)を刊行。
1993年 青海町からおもちゃの赤いピアノを背負って、トーキョーへ出てきた子猫の物語「ピアニャン」で講談社児童文学新人賞を受賞し、翌年『ピアニャン』(講談社)を刊行。これをきっかけに児童文学の道に進む。
2010年「くらひめさま」で第16回児童文学ファンタジー大賞奨励賞を受賞。
他に『山ばあばと影オオカミ』『あけちゃダメ!』など奇想天外なファンタジーが多い。
「夢があるから落ちこむけんど、夢があるから立ちあがれるんね」はピアニャンのせりふ。これをモットーに書き続けている。
『ピアニャン』は岩淵デボラさんと遠田和子さんにより英訳され、電子書籍『Little Keys and the Red Piano』となって、世界中で発売されている。
また、電子書籍の短編集「めるへん・BOX」シリーズの制作に係わり、「林博子のめるへん・BOX さわやかな水色の小箱をどうぞ」の編集を担当した。

お知らせ

『王の祭り』が作品賞に!

(一社)日本子どもの本研究会の第5回作品賞に、
『王の祭り』(小川英子・作 佐竹美保・装画 ゴブリン書房)が選ばれました。

日本子どもの本研究会のホームページに選評が掲載されています。
https://www.jasclhonken.com/%E4%BA%8B%E6%A5%AD-%E5%90%84%E8%B3%9E/%E4%BD%9C%E5%93%81%E8%B3%9E/
作者のねらいを的確に汲みとってくださり、とてもうれしいです。

たくさんの子どもたちの手に
本を読む楽しさ、歴史を冒険する愉快が届けられたら、
こんなにうれしいことはありません。

『王の祭り』をゴブリン書房から刊行しました


小学校高学年~中高生、大人も楽しめます。
全国の書店で販売中。お近くの書店や図書館に予約していただければ幸いです。ネットでも購入できます。(1,500円+税)
http://www.goblin-shobo.co.jp/books/book039.html

「妖精をつかまえたあの夜が、すべてのはじまりだった・・・」
イングランドの女王エリザベス一世の革手袋をつくるため、父親といっしょにケニルワース城へ向かった少年ウィル。
そこで女王暗殺の計画に巻きこまれたウィルは、妖精の力を借りて女王を助けようとするが、思いがけず、時空のゆがみに投げ出され・・・戦国時代の安土城に飛ばされてしまった!
16世紀のイングランドと日本を舞台に繰りひろげられる、壮大な歴史ファンタジー。
装画は、人気のイラストレーター佐竹美保さん。

糸魚川タイムス 2020/04/17付 で紹介いただきました。


https://digital.j-times.jp/Contents/20200417/82d05f83-734e-49fc-a9b5-64e847588443

全国学校図書館協議会の今年の「夏休みの本(緑陰図書)」の
中学生向けの本に『王の祭り』が選ばれました。

https://www.j-sla.or.jp/recommend/natsuyasumi-53.html

第32回 読書感想画中央コンクール の指定図書に選ばれました。

『王の祭り』が第32回読書感想画コンクールの指定図書(中学校・高等学校の部)になり、作中のどの人物、どの場面を、どんな風に描いてくれるのか、とても楽しみにしていました。
優秀賞に兵庫県の高校生の北居由鈴名さん、優良賞に石川県の中学生の宮﨑由希さんがそれぞれ入賞しました。
本の内容をよく読み取って、その上で自分の思う世界を描いているその想像力、表現力に驚きました。
それらの素晴らしい作品を「読書感想画コンクールのホームページ」でご覧ください。
写真は、文部科学大臣賞と優秀賞の12作を掲載したカレンダーです。指定図書の作者である私のもとに贈られてきました。
12月が北居さんの「~FLAME~ with empathy」です。

「第36回とっとり読書絵てがみ感想文コンクール」の「中学年の部」の課題図書に『あけちゃダメ!』(小川英子著)が選ばれました。

主催は鳥取県学校図書館協議会と新日本海新聞社です。
12月9日の日本海新聞にインタビュー記事が掲載されました

日々雑感

一本目と最新をこのページに掲載します。バックナンバーはこちらからどうぞ。

 

①バタバタ茶

私が生まれ、高校卒業まで過ごした家は糸魚川の古い町屋だ。

数年前の駅北大火で、かろうじて延焼をまぬがれた雁木(がんぎ)通りの一角にある旧倉又茶舗――茶の間には囲炉裏(いろり)があり、いつも曾祖母が店番をかねて座っていた。
そして「お茶飲むかいね」と客をもてなしていた。そのお茶とは抹茶でも煎茶でもなく、〈バタバタ茶〉のことである。私より年上の人は〈たて茶〉ともいう。
茶を泡立て、泡とともに飲む〈振茶(ふりちゃ)〉と呼ばれる飲み方は、かつてはどの地方でも行われていたようだが、今では珍しい風習になってしまった。
糸魚川では保存会や市役所職員有志の努力で、途絶えずに継承されている。私も曾祖母がバタバタ茶専用に使っていたあめ色の五郎八(ごろはち)茶わんや茶せんを大切に保存している。

 ちなみに私は今年70歳。町屋も、町屋の生活を伝える人も少なくなった。私が知っているのは旧倉又茶舗の習わしだけだが、覚えているうちに語っていこうと思う

新潟日報 朝刊掲載「甘口辛口」12/8

昔、雁木は……(1)

 「がんぎ」とは言わなかった。「がげ」と呼んでいた。そこは通り道というより、子どもの遊び場だった。通行人に遠慮しながら、時には叱られながら、下駄隠しやがんどう、ゴム段、鞠つき、それにイッチョをして遊んだものだった。
さすがに石蹴りはしなかった。それは家の裏や道路や校庭でする遊びだった。子ども心にもわかっていたのだろう、チョークで陣地を描いて店の前を汚してはいけないと
雁木は本当は私有地だ。雪に閉ざされても行き来ができるように、各家が軒下を道として提供しているのだ。
本町通りはその雁木が連なり、私が子どもの頃は駅前まで傘を差さずに行くことができた──と書こうとして、あれ、ほんとにそうだったかなと急に自信がなくなった。
昭和二五年一月生まれの私はもうすぐ六五歳、前期高齢者になる。十年一昔と言うが、もう五つも六つも昔を重ねた。
朝粥を食べ、囲炉裏端でばたばた茶を飲んでいた町屋の暮らしや子どもの遊びを、まだ覚えているうちに書いておきたい。セピア色の思い出も語っていくうちに当時の色を取りもどすだろう。
不定期の更新になるが、お読みいただければ幸いである。
(2014/12/18)

こちらからバックナンバーもまとめてお読みいただけます。

 

 

著書の一部をご紹介

書影・書名からリンクされているのは e-hon(http://www.e-hon.ne.jp)の本のページです。お近くの書店でお受け取りになれます。

ピアニャン

上田三根子/絵
講談社

山ばあばと影オオカミ

奈知未佐子/絵
新日本出版社

あけちゃだめ!

奈知未佐子/絵
新日本出版社

 

 (一社)日本児童文学者協会会員
ファンタジー研究会会員
「天気輪」同人
「糸魚川の町屋文化を守り伝える会」代表
「紅梅文庫を活用する市民の会」会長
「特定非営利活動法人むらまち三世代」理事
書評やコラムを シミルボン で書いていますので、ご覧ください。
https://shimirubon.jp/users/1673245

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