小川英子の部屋~日々雑感

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糸魚川の大火(5)

 親戚に蔵の戸を閉めろと叱られたあとで、また別の人から、「昔は年に一度か二度は、出入りの若い衆を呼んで、蔵の戸を閉めてみたもんだ」という話を聞いた。  たしかに、閉まるかどうか、確かめておかなければ非常時に困る。  いざ …

糸魚川の大火(4)

駅北大火から一年がたった。なんと早い一年だったことか。 本町通りには加賀の井酒造が建ちはじめ、そば処泉家も建築が進んでいる。浜町には共同住宅も建つらしい。復興への兆しが感じられ、元気が出てくる。 私はこの一年、炎を見るこ …

糸魚川の大火(3)

 私が子どもの頃、朝は必ずおかゆだった。米から炊くのではなく、冷ご飯をかゆにする。  これは町屋の風習で、「糸魚川ふるさとカルタ」の「ま」の札にも、「町屋の朝はおかゆかお菜入り」とある。  糸魚川は火事が多いので、晩ご飯 …

糸魚川の大火(2)

 本町通りの町屋はたいてい三つの蔵を持っている。  一つは母屋の外にある外蔵で、倉又家ではこれを奥蔵と呼んでいる。二つ目は母屋の中にある内蔵で、こちらは前蔵と呼ぶ。  そしてもう一つは、地下蔵(穴蔵)である。倉又家の場合 …

糸魚川の大火(1)

 昨年暮れの糸魚川駅北大火は痛ましくて言葉もない。柱も残っていない焼け跡が火勢の強さを物語る。糸魚川では火が出ると大火になりやすい。  昭和七年(1932年)の冬、横町から出火した火災では市街地の三六八棟が焼失した。旧倉 …

春のお祭り(4)

獅子(ジョウバ)は獅子頭を両手で高くかかげたまま走ってくるので、本当に異形のものに追いかけられている気がする。 小学生の間では、「チョコレイト色のジョウバが一番怖い」と言われていた。 獅子頭の色が赤や緑とある中で、何故そ …

春のお祭り(3)

獅子(ジョウバ)は子どもをからかって追いかける。子どももわざと罵り、追いかけさせる。そして、逃げ切るのが面白いのだ。 さてその時の罵り歌があったはずだが、思い出せない。 追いかけられた男の子が獅子頭で殴られたのを見たこと …

春のお祭り(2)

 前回にハッカパイプを買ったきり、一年間お休みしてしまった。お祭りなので道草を食ったことはお許しいただきたい。  今、糸魚川に来ている。桜が満開だ。けれど山々の頂きにはまだ雪が残っている。祭りが済んでようやく冬は春にその …

春のお祭り(1)

 四月十日は一の宮、天津神社のお祭りだ。私が小学生の頃、祭り当日は短縮授業だったように思う。それとも校長先生のお話だけ聞いたのかもしれない。とにかく登校したら早目に帰ってきた。  そして浮き浮きと天津神社に出かける。参道 …

昔、雁木は……(7)

 雁木は各商店の軒を連ねた私道だが、隣と隣の間が離れていて、雁木から路地が伸びているところがある。人一人通れるだけの細道。どの家も町屋造りだから鰻の寝床のように長い。三、四十メートルはあるだろうか。  子どもの頃、その路 …

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